こんにちは、かなぴです。
(Twitter : Kanapi_House)
住宅部材や住宅設備の中には、それだけで家全体の品質や満足度に相当影響を及ぼすものがいくつかあります。
そのうちの一つがフローリングです。
なぜフローリングが大事なのか?その理由は大きく三点あります。
- 肌に触れている時間が最も長いから
- 常に目に入る場所だから
- お金が掛かるから
私は家づくりに取り組んできた中で、フローリングに関しては特に人一倍時間をかけて勉強しました。
当初はフローリングの知識が全くありませんでしたが、調べれば調べるほど楽しく奥が深い分野だと言うことに気づき、今ではすっかりフローリングの魅力に取り憑かれています。
そんな私が「知識ゼロからのスタートでもここまで知っておけば間違いない!」と強く断言できる、フローリングのあれこれについて、これから何回かに分けてお届けしていきたいと思います。
フローリング選びが大事な理由
冒頭でもお話したとおり、フローリング選びが大事な理由は大きく3点あります。
- 肌に触れている時間が最も長いから
- 常に目に入る場所だから
- お金が掛かるから
肌に触れている時間が最も長いから
1点目は肌に触れている時間が最も長いからです。
ドラ○もんのように常に足が地面から3mm浮いてるといったことが無い限り、毎日必ずフローリングの上に立ったり歩いたりします。
日によってはフローリングに直接座ったり横になることもあるはずです。
家主にとって最も身近な存在…それがフローリングなのです!!
また、選んだ木材(素材)によって歩行時の足腰に与える影響も少なからず変わります。
良いフローリングを選ぶということは、現在の暮らしの質を向上させるだけでなく、将来のバリアフリーにも一役買ってくれることに繋がります。
常に目に入る場所だから
2点目は常に目に入る場所だからです。
フローリングはクロス(壁紙)と同様に、普段生活をしている中で無意識のうちに視界に入ってきます。
また、選ぶ木材によって相当色味が変わります。
どのような色合いのフローリングを選択するかによって、内装のイメージが一変します。
こちらは住友林業で採用が可能なフローリングの一例です。
濃い色から薄い色までかなり色合いに差があることが分かります。
見た目にバランスが良い内装に仕上げるためには、家具やカーテンといった実際に生活するうえで必要な設備を考慮して色の取り合わせに気を配る必要があります。
取り合わせを誤ると、その箇所だけ浮いたり目に付いたりするなど、不満ポイントとして残り続けます。
家づくりは良いところより悪いところの方が目立ってしまいがちなので要注意です。
お金が掛かるから
3点目はお金が掛かるからです。
フローリングは採用する面積が広く、少し良いものを採用しようとするとかなりお金が掛かります。
我が家は延床約40坪ですが、フローリングの費用は200万円(税込)程度掛かっています。
各ご家庭によって費用の大小はあっても、フローリングを採用しないという選択肢はありません。
それなら、十分勉強して納得したモノを選びたいと思いませんか?
これ以降は導入編ということで、フローリングの定義/フローリングの種類/木材の違いによる特徴を解説します。
フローリングの定義:フローリングは木の床板のこと
フローリングの定義を確認してみます。
フローリング(flooring)とは、主に木質系材料からなる床板で表面加工などの加工を施したもの。
ただし英語の flooring は単に『床材』という意味であり、リノリウムや和室の畳も英語では flooring である。
(出典元:Wikipedia)
日本だと木の床板というイメージが付きますが、英語だと畳もフローリングと呼ぶとはビックリです。
海外の方が間違って土足で畳に上がってしまうエピソードは、こういった定義の違いからくる部分も少なからずありそうです。
フローリングの種類は大きく分けて2種類!細かく分けると4種類!
フローリングは「無垢フローリング」と「複合フローリング」
また、さらに複合フローリングは「挽板(ひきいた)フローリング」「突板(つきいた)フローリング」「シート系フローリング」に分けることができます。
各フローリングの細かい特徴やおすすめの採用場所などは「特徴編」でお届けするとして、ここでは概要を簡単にご紹介します。
無垢フローリング
無垢フローリングとは一本の木を加工して作られたフローリング
木の厚みは15mmのものが一般的ですが、木材の種類やメーカによって12mm~
本物の木しか使わないため、良くも悪くも木材の種類の違いによる影響を最も受けやすいです。
また、フローリングとフローリングの間の溝が丸みを帯びていてちょっと高級感があります。
複合フローリング
複合フローリングとは合板や集成材で作られた基礎材の上に、
合板はいわゆるベニヤ板のことで、
さらに、複合フローリングは基礎材の上に何を貼るかによって、「挽板(ひきいた)フローリング」、「突板(つきいた)
挽板フローリング
挽板フローリングとは基礎材の上に厚みが1mm~2mm程度の木を貼り付けたフローリングのことを言います。
基礎材があるとはいえ一定量本物の木を使っているため、無垢フローリングと同様に木材の種類の違いによる影響を受けます。
また、溝の作りも無垢フローリングと同様に丸みを帯びたR溝となっています。
突板フローリング
突板フローリングとは基礎材の上に厚みが0.3mm~1mm程度の木を貼り付けたフローリングのことを言います。
かろうじで本物の木を使っていますが、薄すぎて木材の種類の違いによる影響はほとんどありません。
このため同じ製品の突板であれば、木材の特徴は考えず、色の好みで選択することで良いと思います。
他にも、突板フローリングは溝が丸み帯びていない場合がほとんどです。
シート系フローリング
シート系フローリングとは基礎材の上に紙や樹脂(プラスチック)
木ではありません。
近年のプリント技術は相当発達しており、シールだと知らない方も多いのではないかと思います。(私は知りませんでした…)
シート系フローリングに関しても、溝が丸み帯びていない場合がほとんどです。
木材の種類による違い:針葉樹と広葉樹
先ほどのフローリングの種類の中で、「無垢フローリング」と「挽板フローリング」は木材の種類の違いによる影響を受けやすいといったお話をしました。
ここでは、木材の種類のお話として、針葉樹と広葉樹についてご紹介します。
なお、無垢材の大手メーカーのマルホンが運営する木材・無垢フローリングの総合サイト「木材ドットコム」にも木材の違いが細かく解説されています。
興味のある方はそちらもご覧ください。
針葉樹とは
針葉樹は裸子植物に属する木のことです。
葉っぱが針のように尖った樹木が多いため、針葉樹と呼ばれます。
一本の太い幹がまっすぐ伸びて育ちます。
英語では「Softwood」と呼び、後ほどご紹介する広葉樹よりも比較的柔らかいです。
また、その種類は540種類程度と言われています。
フローリングとしてよく使用される樹木は以下のとおりです。
- スギ
- ヒノキ
- パイン
- カラマツ など
針葉樹の特徴その1:空気の隙間が多い
針葉樹の1つ目にして最大の特徴は、空気の隙間が多いことです。
スポンジをイメージしてみると良いかも知れません。
空気の隙間が多いことで「踏み心地が柔らかく、傷がつきやすい」、「質量が軽い」、「熱を通しにくい」といった性質を持ちます。
熱を通しにくい点は、特に冬場にメリットが大きいです。
針葉樹のフローリングにすることで床がほとんど冷たくなりません。
むしろほんのり暖かいと感じるケースもあるようです。
一方で、ちょっとした衝撃によって床がヘコみ、心もヘコみます。
針葉樹の特徴その2:明るい色が中心
針葉樹はフローリングにした場合、木材の種類の違いによる色の違いが少なく、全体的に明るい色になります。
広葉樹と比較すると、かろやか~な感じです。
色のイメージとしては、神棚を思い浮かべていただけると良いかなと思います。
(神棚には針葉樹であるヒノキがよく使用されています)
針葉樹の特徴その3:比較的安価
針葉樹は、広葉樹と比較するとお求めやすい価格になっています。
これは針葉樹の成長速度が速いためです。
一般的に約40年~約60年前後で建材として利用できるようになります。
お求めやすいと言っても、突板フローリングやシート系フローリングに比べると高価なのでご注意ください!
広葉樹とは
広葉樹は被子植物に属する木のことです。
葉っぱが楕円の形をしている樹木が多いため、広葉樹と呼ばれます。
「この~木なんの木気になる木」でお馴染みの日立の樹は広葉樹の代表例です。
英語では「Hardwood」と呼び、針葉樹と比較すると結構硬いです。
また、その種類はなんと20万種類程度!!
針葉樹の約370倍もあります。
そんな多種多様な広葉樹ですが、フローリングとしてよく使用される樹木は以下のとおりです。
- マホガニー
- ウォルナット
- チーク
- チェリー
- オーク など
広葉樹の特徴その1:空気の隙間が少ない
基本的にすべて針葉樹の逆なわけですが…。
広葉樹の1つ目にして最大の特徴は、空気の隙間が少ないことです。
流行に乗っかった表現をすると密なわけです。
このため、「踏み心地がしっかりしており、比較的傷がつきにくい」、「質量が重い」、「熱を比較的通しやすい」といった性質を持ちます。
傷と熱に関して、”比較的”といった回りくどい表現をしていますが、これはあくまで無垢フローリングと挽板フローリングの中の比較だからです。
突板フローリングとシート系フローリングに比べると、ガンガン傷は付きますし、熱を通しにくいですのでお間違え無く!
また、質量は重いです。
広葉樹の中には水に沈む木もあるようです。
広葉樹の特徴その2:カラフル
広葉樹はフローリングにした場合、木材の種類の違いによって色が違い、カラーバリエーションが豊富です。
先ほどご紹介したこの画像は、全て広葉樹になります。
濃い色から薄い色まで取り揃えており、万人の心を捉えて離しません。
広葉樹の特徴その3:比較的高価
広葉樹は、針葉樹と比較すると高価になります。
同じく成長速度の観点から見てみると、約150年~約200年前後で建材として利用できるようになると言われています。
「育てた木をフローリングに使いたい!」という野望があった場合は、子孫に託していく必要があります…。
住友林業で選択可能な木材
住友林業ではヒノキやスギといった針葉樹から、マホガニーやウォルナットといった広葉樹まで幅広く選択することができます。
ただし、住友林業のグループ会社でありフローリングを取り扱う「住友林業クレスト」では、広葉樹の取り扱いがあまりありません。
(マホガニーくらいしかありません)
スギやヒノキなどの針葉樹を幅広く選択したい場合は、他メーカーの商品となりますのでご注意ください。
ちなみに、先ほどまでのお話で「広葉樹の方が高い」とご紹介したとおり、住友林業クレスト製の商品はかなり高価な商品になります。
今しばらくお待ちください。
まとめ
今回は「ゼロから学ぶフローリング」の導入編をお届けしました。
みなさんのフローリング知識習得に少しでも役立てていただけると嬉しいです。
といいながらも、今回はかなり表面上の知識に偏ってしまいました…。
次回の「特徴編」では、「無垢フローリング」と「複合フローリング(3種類)」について、見た目や踏み心地、メンテナンス性などを勝手に評価していきたいと思います。
また、評価を踏まえてどこに何のフローリングを採用するのがおすすめなのか?について考察していきます。
引き続きよろしくお願いします。
おしまい。
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