こんにちは、かなぴです。
(Twitter : Kanapi_House)
フローリングに関する記事の第2弾です。
第1弾では導入編として、フローリングの重要性や種類、針葉樹と広葉樹の違いについてご紹介しました。
第2弾は特徴編ということで、「無垢フローリング」と「複合フローリング(3種類)」について、見た目や踏み心地、メンテナンス性などを勝手に評価していきたいと思います。
評価の前提条件
評価にあたっては、以下の2点を前提条件とします。
条件1:品質がある程度高い商品であることとします
木自体の品質や建材に加工する過程の作業品質が出来上がりにかなり影響します。
条件2:各フローリングの塗装方法を仮定します
代表的な塗装方法は以下の3種類です。
- オイル塗装
植物性のオイルを木の表面に塗布して、内部に染み込ませる塗装方法
表面に塗装の膜が出来ないため、自然の木に近い仕上げになる - ウレタン塗装
ポリウレタン樹脂を木の表面に吹き付ける塗装方法
表面に塗装の膜ができることで、傷や汚れに強くなる - UV塗装
UV塗料を塗布し、紫外線を照射して塗料を硬化させる塗装方法
表面に塗装の膜ができることで、傷や汚れに強くなる
ウレタン塗装よりもコストと強度が高い
- 無垢フローリング : オイル塗装 or ウレタン塗装/UV塗装
- 挽板フローリング : ウレタン塗装/UV塗装
- 挽板フローリング : ウレタン塗装/UV塗装
となっています。
- 無垢フローリング(オイル塗装)
- 無垢フローリング(ウレタン塗装/UV塗装)
- 挽板フローリング(ウレタン塗装/UV塗装)
- 突板フローリング(ウレタン塗装/UV塗装)
- シート系フローリング
各フローリングの評価
評価の項目は7項目として、それを5段階で評価していきます。
また、記事を書いているうちに結構長くなってしまいました。
そのため、このページでは「見た目」、「踏み心地」、「メンテナンス性」、「傷/汚れ耐性」の4項目を評価します。
- 特徴編(前半)で評価する内容 ★今回★
- 見た目
- 踏み心地
- メンテナンス性
- 傷/汚れ耐性
- 特徴編(後半)で評価する内容 ★次回★
- 熱耐性
- 補修性
- 価格
見た目の評価
見た目の評価の観点は、木の自然な色合いが感じられるかどうかです。
見た目の評価 | |
無垢フローリング(オイル塗装) | |
無垢フローリング(ウレタン塗装/UV塗装) | |
挽板フローリング(ウレタン塗装/UV塗装) | |
突板フローリング(ウレタン塗装/UV塗装) | |
シート系フローリング |
無垢フローリング(オイル塗装):
- 一枚一枚の節の違いまで楽しめる
- 丸みを帯びたR溝
- 経年変化で味わいが出る
- ラグを敷くのは非推奨
おしゃれなインテリア雑誌に掲載されている写真は、無垢フローリングを使っていることが多いと思われます。
また、前回の導入編でもご紹介したように、フローリングの間が丸みを帯びたR溝な点も素敵ポイントです。
どのように経年変化していくのかは木の種類によって異なります
これには十分気を付ける必要があります。
無垢フローリング(ウレタン塗装/UV塗装):
- 一枚一枚の節の違いまで楽しめる
- 丸みを帯びたR溝
- 経年変化で味わいが出る(変化はやや緩やか)
- ラグを敷くのは非推奨
挽板フローリング(ウレタン塗装/UV塗装):
- 一枚一枚の節の違いまで楽しめる
- 丸みを帯びたR溝
- 経年変化で味わいが出る(変化はやや緩やか)
- ラグを敷くのは非推奨
ただ、上に貼る木の厚みが1.0mm~2.0mm程度としっかりしています。
営業担当の方ですら、見た目の違いは無いと言うレベルです。
突板フローリング(ウレタン塗装/UV塗装):
- ラグが敷き放題
- 木が持つ本来の見た目を感じられにくい
- 溝に丸みが無い
- 経年変化が起こりにくい
一方で、フローリングにこだわりを持つ観点ではデメリットかなと思います。
ということで、今回は悪い点として評価しています。
シート系フローリング:
- ラグが敷き放題
- 表面が木ではない
- 溝に丸みが無い
- 経年変化が起きない
表面は木ではなく、木が持つ本来の見た目は感じられません。
見た目の満足度も少しずつ高くなってきています。
立体感のあるシート(特許取得済)を実現し、フローリングの溝にもこだわりを持って作りこんでいる(R溝)など、シート系フローリングとは思えないような高い品質を持っています。
でも、その分高価な商品です。
踏み心地の評価
踏み心地の評価 | |
無垢フローリング(オイル塗装) | |
無垢フローリング(ウレタン塗装/UV塗装) | |
挽板フローリング(ウレタン塗装/UV塗装) | |
突板フローリング(ウレタン塗装/UV塗装) | |
シート系フローリング |
無垢フローリング(オイル塗装):
- 踏み心地が柔らかい
- 質感がサラッとして心地よい
- 特になし
踏み心地が柔らかくとても快適です。
質感はサラッとしており、素足で歩きたくなる心地良さがあります。
踏み心地の柔らかさや質感は、針葉樹と広葉樹で異なります
- 針葉樹(スギやヒノキ、パインなど)
- 空気の隙間が多く、より柔らかな踏み心地とサラッとした質感
- 広葉樹(オークやウォルナット、チークなど)
- 空気の隙間が少なく、しっかりした踏み心地と質感
無垢フローリング(ウレタン塗装/UV塗装):
- 踏み心地が柔らかい
- 質感がサラッとして心地よい(オイル塗装には劣る)
- 特になし
基本的には「無垢フローリング(オイル塗装)」と大きな差はありません。
ただ、ウレタン塗装やUV塗装を施した場合は表面に塗膜があります。
オイル塗装と比べるとサラッとした質感は感じられにくくなります。
とはいえ、素足で歩きたくなる心地よさは健在です。
挽板フローリング(ウレタン塗装/UV塗装):
- 踏み心地が柔らかめ(無垢フローリングには劣る)
- 質感がサラッとして心地よい(オイル塗装には劣る)
- 特になし
挽板フローリング(ウレタン塗装/UV塗装)の踏み心地に関しては、良い点のみで悪い点は特に無いと思います。
踏み心地の分野でも木の厚みが功を奏して、柔らかく感じます。
ただし、土台に基礎材が使われているぶん、無垢フローリングより空気の隙間が少なくなり、衝撃吸収性は多少弱くなります。
基本的には柔らかく感じるので、ここは良い点に整理しつつ、無垢フローリング(2種)と比較すると若干落ちるといった評価にしました。
私は実際に住宅展示場で踏み比べたことがあります。
無垢フローリングと挽板フローリングとでは確かな違いがありました。
ただ、ものすごく違う!というほどではありません。
踏み比べしてみないと気が付かないレベルといった感じです。
なので、住んでいると気にならないと思います。
また、無垢フローリング(ウレタン塗装/UV塗装)と同様に表面に塗膜がある分、サラッとした質感は感じられにくくなっています。
突板フローリング(ウレタン塗装/UV塗装):
- 特になし
- 踏み心地が固い
- 梅雨の時期に歩くと足に張り付く感覚がある
ここまでの踏み心地の評価は、良い点ばかりで悪い点は特に無いとしていましたが、ここからはその逆です。
突板フローリング(ウレタン塗装/UV塗装)は、木の厚みが0.3mm~1mm程度とかなり薄いです。
このため空気の隙間が相当少ないです。
踏み心地は固く感じます。
また、特に梅雨の時期になると、歩くたびにベタつく感覚があります。
この違いは、無垢フローリングや挽板フローリングと踏み比べると、かなり明確です。
シート系フローリング:
- 特になし
- 踏み心地が固い(突板フローリングより強い)
- 梅雨の時期に歩くと足に張り付く感覚がある
- フローリングに足跡が付くことがある
シート系フローリングの踏み心地の評価も、良い点を挙げるのが難しく、悪い点のみとして記載します。
メンテナンス性の評価
メンテナンス性の評価の観点は、お手入れの頻度が少なく、楽かどうかです。
各フローリングの私の評価結果はこちらです。
メンテナンス性の評価 | |
無垢フローリング(オイル塗装) | |
無垢フローリング(ウレタン塗装/UV塗装) | |
挽板フローリング(ウレタン塗装/UV塗装) | |
突板フローリング(ウレタン塗装/UV塗装) | |
シート系フローリング |
無垢フローリング(オイル塗装):
- 特になし
- オイルの再塗装が定期的に必要
- フローリングの溝掃除が手間
無垢フローリング(ウレタン塗装/UV塗装):
- 定期的な再塗装は不要
- 水拭きや市販の掃除グッズでお手入れ可能
- ワックスがけが必要
- フローリングの溝掃除が手間(オイル塗装よりややまし)
まずは良い点からです。
無垢フローリング(ウレタン塗装/UV塗装)の場合、再塗装は不要です。
塗膜の力によって、頻繁にメンテナンスする必要は無くなります。
ただ、再塗装が不要である代わりに、ツヤ感がなくなってきたり汚れが目立つと感じたときには、ワックスがけをしてあげる必要があります。
その点はひと手間発生しますが、ワックスをすると傷や汚れにかなり強くなります。
水拭き、クリーナーやクイックルワイパーによる掃除が可能になります。
続いて悪い点です。
話の流れで先に出てしまいましたが、ワックスがけの手間があります。
また、「無垢フローリング(オイル塗装)」と同様に、季節によって多少膨張/収縮するため、フローリングの溝の掃除が大変です。
ただ、ウレタン塗装/UV塗装を施すことによって、膨張/収縮の割合は多少抑えられます。
挽板フローリング(ウレタン塗装/UV塗装):
- 定期的な再塗装は不要
- 水拭きや市販の掃除グッズでお手入れ可能
- フローリングの溝掃除が楽
- ワックスがけが必要
基本的には「無垢フローリング(ウレタン塗装/UV塗装)」と同じような感じです。
ただし、良い点として一つ大きく違うところがあります。
それは、土台に基礎材を使っているため季節による伸縮/膨張が無いことです。
このため、フローリングの溝の掃除もかなり楽になります。
突板フローリング(ウレタン塗装/UV塗装):
- 定期的な再塗装は不要
- 水拭きや市販の掃除グッズでお手入れ可能
- フローリングの溝掃除が楽
- ワックスがけが必要
こちらは、良い点、悪い点ともに「挽板フローリング(ウレタン塗装/UV塗装)」と同じような感じです。
そんなに大差ないかなぁということで同じ評価にしました。
シート系フローリング:
- 定期的な再塗装は不要
- 水拭きや市販の掃除グッズでお手入れ可能
- フローリングの溝掃除が楽
- 特になし
シート系フローリングは、良い点、悪い点ともに「挽板フローリング(ウレタン塗装/UV塗装)」や「突板フローリング(ウレタン塗装/UV塗装)」と同じような感じです。
が、さらにワックスがけすら不要なメンテナンスフリー商品となっております。
とにかく手間が掛かりません。
傷/汚れ耐性の評価
傷/汚れ耐性の評価 | |
無垢フローリング(オイル塗装) | |
無垢フローリング(ウレタン塗装/UV塗装) | |
挽板フローリング(ウレタン塗装/UV塗装) | |
突板フローリング(ウレタン塗装/UV塗装) | |
シート系フローリング |
無垢フローリング(オイル塗装):
- 特になし
- かなり傷が付きやすい
- 汚れが染み込みやすい
傷や汚れに弱いのは、オイル塗装の宿命です。
その他のフローリングと比較するとかなり繊細です。
ここの評価は悪い点しかないのは仕方が無いと思います。
では、悪い点の具体的な内容です。
まずは傷に関してですが、踏み心地の項目でお話したように、空気の隙間が存在するため傷にとても弱くなります。
キャスターが付いた椅子を使用したり、重たい家具を設置する場合は注意が必要です。
フォークやスプーンを落としただけでも傷が付くことがあるようです。
続いて汚れに関してです。
表面に塗膜がないために汚れも染み込みやすいです。
水や油が付いた状態でそのままにしておくとシミになってしまいます。
キッチンなどの水回りに無垢フローリングを採用する場合は十分な注意が必要です。
傷や汚れも我が家の思い出だから!という素敵な考えの方にはむしろアリなのかも知れません。
無垢フローリング(ウレタン塗装/UV塗装):
- 塗膜によって汚れには強い
- かなり傷が付きやすい(傷は白っぽくなる)
良い点は、汚れに強いということで、これは「無垢フローリング(オイル塗装)」と比べると圧倒的に違います。
メンテナンス性の評価でお話したように、水拭き、クリーナーやクイックルワイパーを使っても良いという程度には強くなります。
悪い点は、傷への耐性です。
挽板フローリング(ウレタン塗装/UV塗装):
- 塗膜によって汚れには強い
- ヘコミ傷に多少強い
- 擦り傷はかなり付きやすい(傷は白っぽくなる)
突板フローリング(ウレタン塗装/UV塗装):
- 塗膜によって汚れには強い
- ヘコミ傷、擦り傷ともに強い
- 特になし
突板フローリングになると、汚れ/傷ともに強くなり良い点ばかりです。
悪い点は特にありません。
挽板フローリングからさらに進化した点は、擦り傷にも強くなるということです。
木の厚みが0.3mm~1.0mmと薄いことが幸いして、深い傷は基礎材がガードしてくれるようになります。
このため、大きいテーブルやソファーを置いた場合も「傷付いたらどうしよう…」という心配がほとんど無くなります。
キャスター付きの椅子も、たくさんコロコロしてください。
シート系フローリング:
- 塗膜によって汚れには強い
- ヘコミ傷、擦り傷ともに強い
- 特になし
シート系フローリングも良い点ばかりです。
さすが基礎材にシートを貼っているだけあって、ほぼ基礎材そのもので傷にひたすら強いです。(褒め言葉です)
ベニヤ板に傷が付きにくいことと同じような感覚です。
まとめ
フローリングの第2弾は特徴編ということで、「無垢フローリング」と「複合フローリング(3種類)」について、どのフローリングを選ぶか判断するうえで大事だと思われる7つの項目を5段階で勝手に評価することにしました。
また、記事が長くなったため、今回はこのうち「見た目」、「踏み心地」、「メンテナンス性」、「傷/汚れ耐性」の4項目を評価しました。
- 特徴編(前半)で評価する内容 ★今回★
- 見た目
- 踏み心地
- メンテナンス性
- 傷/汚れ耐性
- 特徴編(後半)で評価する内容 ★次回★
- 熱耐性
- 補修性
- 価格
現在の評価状況はこのような感じです。
無垢フローリング (オイル塗装) |
無垢フローリング (ウレタン塗装/UV塗装) |
挽板フローリング (ウレタン塗装/UV塗装) |
突板フローリング (ウレタン塗装/UV塗装) |
シート系フローリング | |
見た目 | |||||
踏み心地 | |||||
メンテナンス性 | |||||
傷/汚れ耐性 |
次回は第2弾の特徴編(後半)ということで、「熱耐性」、「補修性」、「価格」について勝手に評価していきます。
引き続きお付き合いくださいませ。
おしまい。
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